遮熱塗料で本当に涼しくなる?弘前市の職人が現場経験から解説
更新:2026.08.17
弘前市で屋根・外壁塗装を行っている、築舘塗装(合同会社シェイド)の代表です。
近年、お客様から
「遮熱塗料を塗ると夏は涼しくなりますか?」
「遮熱塗料にした方が良いですか?」
というご質問をいただく機会が増えました。
塗料メーカーのカタログを見ると、屋根表面温度の低減や省エネ効果などが紹介されており、遮熱塗料に興味を持たれる方も多いと思います。
今回は弘前市で数多くの屋根塗装を行ってきた塗装職人として、できるだけ正直にお話ししたいと思います。
遮熱塗料には効果があります
まず最初にお伝えしたいのは、遮熱塗料には確かに効果があります。

遮熱塗料は太陽光に含まれる赤外線を反射し、屋根や外壁の表面温度上昇を抑える塗料です。
夏場の屋根は60~70℃以上になることもありますが、遮熱塗料によって屋根表面温度を下げる効果が期待できます。
そのため、
「遮熱塗料は全く意味がない」
ということではありません。
実際にメーカーの試験データでも、表面温度低減効果は確認されています。
しかし体感できるかは別の話です
一方で、実際のお客様からは
「思ったほど変わらなかった」
という声をいただくこともあります。
なぜでしょうか。
それは住宅の暑さが屋根だけで決まるわけではないからです。
家の中の暑さには、
・窓
・サッシ
・断熱材
・換気
・屋根裏環境
など、さまざまな要素が関係しています。
例えば古い住宅で単板ガラスやアルミサッシを使用している場合、夏場の熱は窓から大量に侵入します。

その状態で屋根の温度だけを下げても、室内の体感温度はそれほど大きく変わらない場合があります。
実はサッシの影響が大きい
暑さ対策において特に重要なのは窓やサッシです。
例えば、
・Low-E複層ガラス
・樹脂サッシ
・内窓設置
などを行うと、夏だけでなく冬の快適性も大きく向上します。
実際にお客様からも、
「内窓を付けてから快適になった」

というお話を聞くことはありますが、
「遮熱塗料だけで劇的に涼しくなった」
というお話はそれほど多くありません。
もちろん住宅の構造によって違いはありますが、塗料だけで住環境が大きく変わると考えるのは少し注意が必要だと思います。
色による違いもあります
実は遮熱性能だけでなく、屋根の色も温度に影響します。
例えば、
・ブラック
・ダークブラウン
・ニューワイン
などの濃い色は熱を吸収しやすい傾向があります。
一方、
・ライトグレー
・シルバー系
などの明るい色は熱を反射しやすい傾向があります。
そのため、遮熱塗料を選ぶかどうかだけでなく、どの色を選ぶかも重要なポイントになります。
雪国でよくある質問
弘前市や青森県では、
「遮熱塗料を塗ると雪解けが遅くなりませんか?」
というご相談もあります。
理論上は熱を反射するため多少の影響は考えられます。
しかし実際には、
・気温
・日照時間
・積雪量
・屋根勾配
・屋根の向き
などの影響の方がはるかに大きく、遮熱塗料によって大きな問題が発生したというケースはほとんどありません。
そのため、雪解けを過度に心配する必要はないと考えています。
私たちは遮熱塗料を否定するつもりはありません。
表面温度を下げる効果はありますし、条件によってはメリットもあります。
しかし、
「遮熱塗料を塗れば家の中が劇的に涼しくなる」
という期待は少し大きすぎるかもしれません。
住宅の快適性は塗料だけで決まるものではなく、
・サッシ
・ガラス
・断熱材
・換気
・建物全体の性能
によって大きく左右されます。
塗装工事は見た目をきれいにするだけでなく、大切なお住まいを守るための工事です。
遮熱塗料も選択肢の一つとして考えながら、ご自身のお住まいに合った方法を選ぶことをおすすめします。
